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映画「MINAMATA-ミナマタ」が問いかけるもの

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こんにちは。ももです。

映画「MINAMATA-ミナマタ」を観ました。

この映画は、熊本県の水俣病を題材にしたハリウッド映画です。

海外映画が扱う日本の社会問題。

主演がハリウッドの大スター、ジョニー・デップということで話題になり、日本では9月から公開されています。

 

「観るべき作品、感動した」と絶賛の声が多い中、映画には史実に基づかない脚色が含まれていて、複雑な思いを抱く人もいます。

私はこの映画で困難に立ち向かうユージンや被害者の姿に感動した一人です。

この記事では、映画「MINAMATA」について調べた事や、感想をまとめました。

 

映画「MINAMATA-ミナマタ」について

 

水俣病を世界に伝えたフォトジャーナリストのユージン・スミス(故人)さんは1971年から1974年に水俣市に住みながら患者や家族の日々の生活や苦しみを撮影しました。

後に妻のアイリーン・美緒子・スミスさんとの共署で出版した写真集「MINAMATA」が映画MINAMATAの原案です。

胎児性水俣病患者の娘が優しいまなざしの母親に抱かれ入浴する写真「入浴する智子と母」は、「ライフ」誌に掲載され、世界に衝撃を与えました。

映画MINAMATAに、この写真が一瞬ですが登場します。

 

アンドリュー・レビダス監督によると、作品の背景には「今も世界で水俣病と同じ産業公害が繰り返され、被害者が絶えないことへの危機感」があるそうです。

プロデューサーと主演のユージン・スミス役をハリウッド俳優のジョニー・デップ。

妻として行動を共にしたアイリーン・美緒子・スミス役は、俳優の美波。

患者運動のリーダーだった川本輝夫さん(故人)をイメージした役を真田広之が演じています。

 

映画「MINAMATA」では、原因企業チッソに被害者たちが立ち向かう様子をユージンが追い、患者と家族の生活やチッソとの補償交渉の様子が描かれています。

困難に見舞われながらも、真実に迫り、患者や家族と心を通わせていくユージンの姿が心を揺さぶります。

 

映画をきっかけに、今でも患者認定や救済を求めて訴える人たちの存在が報じられ、水俣病に関する写真展も開催されています。

公式確認から65年を経た水俣病。

深刻な公害について人々の関心を高めることができたのは、映画の力だと思います。

映画「MINAMATA-ミナマタ」が問いかけるもの

映画「MINAMATA」では重要な場面で、事実ではないエピソードが描かれています。

例えば

チッソの社長が多額の現金と引き換えに、ネガを渡すようにユージンに持ち掛ける場面。ユージンは即座にお金を突き返します。

すると、ユージンの仕事場が放火され、とりだめていたネガがすべて失われてしまいます。

これは、フィクションであって、事実ではありません。

もちろん、映画は興行ですので、一定の脚色がなされることはあるでしょう。

水俣には今も被害者が暮らし、原因企業チッソで働き生計を立てている人、地域の再生のために力を注いできた人もいます。

地元住民の中には映画MINAMATAを複雑な思いで受け止めている人も少なくないそうです。

 

この映画は冒頭に「based on true events」つまり、実話を基にしたと掲げています。ですが、事実と違う演出が随所に含まれています。

このような映画で、どこまでフィクションが許容されるのか、この映画が問いかけるものの一つだと思います。

ユージンは写真集「MINAMATA」の序文で、仕事に対し「正直で公平であろうとした」と書いています。

もしも、ユージンがこの映画を見たら、どう思うでしょうか?

 

映像の合間には実物のモノクロ写真が挟まります。

この映画が水俣病問題が過去のものではなく、現在も存在していることを示した意義は大きいと思います。

レビタス監督は「この映画の最大のミッションは世界が同じことを繰り返さないように、彼らの物語をしっかり伝えることだった」と言っています。

 

映画MINAMATAを見た感想

映画MINAMATAで描かれている、ユージンが妨害やスランプを乗り越えて患者の写真を撮る姿、彼をとりまく地元住民の不正義に立ち向かう勇気は感動的です。

この映画は不条理や不正義に対して声をあげることの大切さを教えてくれました。

 

ただ、世界中で上映される映画で、描かれたすべてが事実と受け止められてしまうことに対しては複雑な思いがします。

この映画は「MINAMATA-ミナマタ」と地名がタイトルになっていますので、水俣にたいする差別や、水俣の住民の分断につながらないように願っています。

 

まとめ

水俣病を題材にした米国映画「MINAMATA-ミナマタ」について紹介しました。

水俣病問題に光を当て、水俣病の根底にある問題を広く世界に知ってもらう意義は大きと思います。

ですが、この映画では重要なエピソードが事実ではありません。

見終わったあとで、自分で考えたり学んだりすることを求められる映画です。

被害者救済を求める裁判などが続、水俣病は過去の出来事ではないということを、思い出させてくれました。

今でも、世界で環境汚染に苦しんでいる人たちがいますので、この映画が「自分に何ができるのか」を考えるきっかけになればいいと思います。

最後まで、お読みいただきありがとうございます。